お盆と死者の日

メキシコの死者の日のイラスト

8月13日、14日、15日はお盆ですね。「盆暮れ正月」と一括りにまとめるように、お盆と年末年始は仕事を休む日本人が多いです。40年位前には、ほとんどの人が家族に会いに帰省していたような気がします。車が一家に一台になったり、円が高くなって航空運賃も安くなって旅行へ行きやすくなって、核家族の親も年を取ってそろそろ実家へ帰るのもなぁ…という感じとか、折角休める「盆暮れ正月」は念願の海外旅行へ行ってみたい!とか、色々時代が変化して今となってはイマイチよく分からないけど、まとまった休暇が取れる時期が「お盆」と「年末年始」で、GWとシルバーウィークがサブとして控えている感じですかね。

私が子供だった頃、お盆に虫を取ったり魚釣りに行こうとするとじいちゃんばあちゃんに叱られました。

「ご先祖様が帰って来てるときに殺生しちゃいかん!」

魚やカブトムシになってご先祖様が我々の様子を見に来ているというわけです。『リメンバー・ミー』というアニメに出てきた「死者の日」と凄くよく似た信仰です。

メキシコに3年ほど住んでいた時期に、9月中頃~10月ごろに「死者の日」でお休みになる時期があって、その内容を知って驚きました。骸骨をカラフルに飾ってテキーラ飲んで音楽かけて、子供たちはお菓子の入った星の形をした箱のようなものを棒で破壊して中から出てきたお菓子を食べて喜んでいる。

まーみんな楽しそうなんです。日本だと、キュウリやナスに爪楊枝のような木を差してみたり、精霊流しをしたりと、各地域によってご先祖様との交流方法が異なりますが、死んだ人と交流する信仰が、日本から遠く離れたメキシコにもあることに凄く驚きました。

ちなみに、日本が最初に不平等じゃない条約を結んだのはメキシコだったり、戦国大名の伊達政宗がメキシコと貿易しようとしたりとか、結構関係が古かったりもします。

ともあれ、お盆でお休みなのに、虫取りも魚釣りもできない。大人のようにお酒飲んでごろごろする方法もなく、子供の時は「お盆は暇だなぁ~」と思っておりました。

日本は無宗教だとかいうものの、こういう風習が根強く残っていたりするから、神様を信仰する「神道」に仏教や密教やキリスト教などがいろいろ加わっている不思議な感じです。メキシコは敬虔なカトリックなのに、死者の日などの昔ながらの風習も根強く残っているので、世界って面白いなぁと思います。