国語(現代文)の勉強方法
高校三年生で、学校のいつもと違う校舎の慣れない教室で模擬試験を受けていました。今となってはあれが何の模試だったのか全く思い出せないのですが、普段とは違う教室でちょっと緊張しながら、心の片隅ではなんか面倒くさいなって思いながら国語の問題、評論文だっとおもうのですが、時間を気にしながら読んでいたのですが途中から内容に引き込まれて面白くなってきて「へえ~、オモシロ~」と思って読み終わった後、質問文と選択肢を見ながら本文のどこに書いてあるか線を引いたとき「あ、わかった…」と感じる一瞬がありました。
その時から、国語の読解問題を解くときは「書きながら読む」ようにしています。
問題の種類によって異なりますが、読みながら適当に「ここ大切っぽい」みたいな線をちょこちょこ引いていくようななんとなくの書き方ではありません。読みながら線を引くのは、色々長々書いてあったことを、簡単に短く言い換えて要約してある部分(まとめてある部分)の特に、この部分だけで分かる「核心部分」だけに線を引きます。設問によってはそこが答えだったりしますが、大切なのは、その「核心部分」が2つ3つあった場合、そこを見れば話しの流れが一目瞭然だから、問題を解くときに答えを見つけやすいです。
そして質問を読んで、それがどこに書いてあるのか探す。そして、その答えがどこなのかを探すのですが、大体2か所で迷ったりします。「この文が怪しいんだけど、その次に書いてある文も怪しい」場合、「この文」を一言で言い換えます。それから「その次に書いてある文」も一言で言い換えます。それをちゃんとどこかに分かりやすく書いておく。そして再び質問を読むと、あら不思議!答えがどっちかわかるんです。それでもわからないときは、その辺りの文の流れをつかみましょう。「しかし」とか「だが」「それなのに」のような逆説の接続詞があったら、その前と後で逆の内容です。「したがって」「つまり」「そのため」などは言い換えているだけで、その前と後は話を分かりやすくするために同じことを書いてあるだけです。そういった接続詞を鉛筆で四角くくくりながら、登場人物や筆者の気持ちや意見が書いてある部分をラインして、最初は「A」の気分だったけど、これをきっかけに「B」になった。だけど「C」ということがわかって結局「A」にもどった。ということを、明確に、はっきり、バッチリ合わせたら、自然と正解しか選べないんです。そのように現代文は作ってある。当然ですが、本文中の「それ」「これ」「あれ」が何を指し示すかというのは基本中の基本なので分かるようになる必要があります。
以上のポイントを押さえられるようになる練習を、試験前に続けると、あるとき「あ、わかった!(かも)」という時が来ます。その後も上のポイントを押さえながら練習問題に取り組んでいると、現代国語は(時間と根気さえあれば)間違えなくなります。
「論説文」「評論文」は意見・主張が事例とともに書いてあって、AだからB。AといってもBではなくCということもあるがそれはああだこうだ例外なのでAだからBです。のように、いくつかの話を組み立てて答えに辿り着く書き方なので、書いてある言葉と内容を知っていれば簡単に解けます。知らない内容であるばあいは、意見・主張をこの部分は「A」で、ここからはAとは違うこと書いてあるっぽいから「B」かな。ここからまた「A」の話にもどっているけど、この辺からはまたなんか全然違うっぽいから「C」かな。最初と最後はだいたい同じ意見だけど、「しかし」とか「以前とは異なり」とか書いてあって意見変えたっぽいから最初の意見・主張は最終的に変えたっぽいな。という感じで構成を理解していけば答えが分かると思います。
「随筆文」「随想文」は書いた人の気持ち(情緒)の移り変わりが、何かの事象・事件・事柄をきっかけとともにあれこれかいてあるので、気持ち(情緒)と、きっかけとなった事象・事件・事柄を選び抜けば解けます。それと、過去・現在・未来の話がごちゃごちゃになって書いてある場合は、本文の上のほうに線を引いて「過去」とか「現在」とか「未来」と書いて、時系列ごとに「5未来」→「1過去」→「3現在」→「2過去」→「4現在」などと書いておくと答えが見てきます。
「小説文」は、「随筆文」「随想文」と「論説文」「評論文」の解き方のいずれかでやりつつ、主張・意見を具体的な事柄に置き換えて述べられてあるときは、何がどれに対応しているのかメモしておくと答えが分かます。それと、皮肉やユーモアを書いてある場合には逆の意味であったりすることもあるので、書いてある内容の裏(真実)の意味がありそうなら、深読みする必要があります。例えば、「道具は普段から使っておいたほうがいいと言われている。普段から使っていて、修理も自分でしていたりしていれば、やがてその道具は自分の手足のように思うがままに使いこなせるようになる。例えばこんな話がある~~~(別の物語が始まって、いつも使っている道具があったからこそいい仕事ができた~といった感じの物語)」のような感じならば、道具の話と物語を対応させれば解ける。ただ時々、「使い慣れ、思いのままに動かせるようになってしまったからこそ、口に出して言ってしまうと怒られるようなことを、ついその道具で本音の知らせるべきでないことを相手に知らせてしまう」といった感じでひっくり返す場合もあるので要注意。
ここ数年日本人で最もノーベル文学賞に近いと言われている村上春樹の1980年代に書かれた短編集とか、小説の神様と言われていた志賀直哉の短編などは、書いてあるそのものに何らかの裏の意味をつけてみると別のお話が書いてあるようにも読み取れたりもしてすごく面白いです。現実にはないのに実際起きていそうなほどリアリティのあるお話を作り上げて「生きること」とか「幸福とは何か」などといった人間の根幹となることを考えさせられる阿部公房なども面白いです。
現代文の読解は、小説、随筆、随想、論説、評論などを面白おかしく読み取るための学びです。自分が経験したことのないことや、想像もしたことない世界を、自分の脳内にインプットできれば世界は広がりとても面白いです。勉強しながら図書館(👈リンク先は福岡市総合図書館)や青空文庫なら無料なので、過去の名作に触れたりしてみることもお勧めします。