大学入学共通テスト

大学のイメージイラスト

先週末、大学入学共通テストが全国各地で行われました。国公立大学に入学したい人が全員受ける試験です。この試験を受けた後、志望校の大学の学科の試験を受けて、合否が決まります。私立大学でも大学入学共通テストを受ける必要がある学校もあります。大学入学共通テストは、大学入学を目指す人にとって最も重要な試験です。

試験があった翌日の新聞の朝刊には問題と正解が掲載してあります。最近はインターネットでも公開されています。

河合塾 2025年度 大学入学共通テスト速報

↑このリンク先で、今年の問題とその正解が全て見ることができます。

私が高校生だった頃は、詰め込み教育真っ盛りでした。「いかに大量の知識を覚えているか」が問われているような試験が多かったのですが、「覚えてばかりではなく、実際の社会生活の中で役立たせる必要がある」ので、最近は現実に即した感じの文章題が増えています。英語も単語や文法を問うのではなく、長文を読んで答える問題ばかりで、今年は図表やイラストを見ながら解く読解問題が増えていました。

中学で学んだことは基礎です。その基礎の上に、高校の内容がど~んと大量に積み上がります。そして大学では自分が選んだ専門分野に集中していきます。大学生に必要な教養、知っておくべきこと。という知識面(暗記・記憶力)だけではなく、大学入試までどれだけ頑張ってきたのか(忍耐力、継続力)、集中力はあるのか、初めて見る問題を解く力(問題解決能力)があるのか、などが問われています。

「学校でやるべきことをしっかりやってきた生徒」と「学校でやるべきことをしてこなかった生徒」と、どちらに仕事を教えたいですか? どちらの人と一緒に研究したり、仕事をしたりしたいですか? 

ある企業で「学歴不問。大学卒業でも高校卒業でも構わない」という条件で、応募してきた人に入社試験として筆記試験、面接試験を行ったら、高学歴な人ばかりが残ったという話もあったりします。一方で、大学など行かなくても自動車整備士1級や、看護師、行政書士、簿記一級、会計士などの資格を取ることでその仕事のスペシャリストとして働く道もあります。あるいは、パティシエとしてフランスへ修行に行ったり、イタリヤへワインや料理の修行にいったり、サッカーでメキシコやパラグアイなどへ行ってがんばったり、京都の料亭で10年近く修行したり、左官屋大工の職人となってがんばったりすることで、自分だけができる特別な技術を身に着けて働くという道もあります。みんなと同じペースで勉強するのが苦手なら、自部のペースで学べる学校も今は多くありますから、そういった学校へ進学して、自分だけの進路を切り開く必要があります。

自分が将来やりたいことがわかっていないなら、取り合えず勉強しておきましょう。「やりたいこともない」「できることもない」「人に自慢できる技術もない」「親の仕事を継ぐわけでもない」といった人が、法律を侵さずに良い給料の仕事ができると思いますか? まーなかなか難しいですよね。

やりたいことが分からない。大人になってから何をしようとか分からない。そんな人こそ、勉強して、入学試験が難しい高校へ進学すべきです。そういう高校には、学校でやるべきことを頑張った人が多くいます。ああだこうだと言い訳ばかりしてやりたくないことから逃げて遊んでばかりだった人が行ける学校には、そういう生徒が多くいるのではないでしょうか。

「いい高校」は、人によって違います。勉強が好きな人にとってのいい高校は、偏差値が高い高校です。部活が好きな人にとっては、部活が充実している高校です。自分のやりたいことが決まっている人にとってのいい高校は、自分のやりたいことのためになる高校がいい高校です。自分にとってなにがいいことなのか分からない場合は、自分が行けるレベルの高校をオープンキャンパスや学園祭などで実際に見て、面白そう!と思った学校へ行くといいのではないでしょうか。

自分が選んでいく、初めての学校です。その選択から自分の将来が始まるのです。人の才能や能力はそんなに変わりません。そりゃ、とんでもない天才ってのは中に入ます。でも、ほとんどの人は普通の人です。ただ、なんとなくちっちゃなころから勉強が好きだったり、走るのが好きだったり、絵を書くのが好きだったりして、その楽しかったことの延長に、高校があるわけです。

今住んでいる家、来ている服、食べている食事は全部両親やご先祖様からもらったものです。顔や身長などの身体もそうです。大人になってから、どんなふうに笑って、怒って、がんばったかで、顔や雰囲気は変わっていきます。住む家も服も食事も自分で選んで、自分で働いたお金で支払っていくのです。

「宿題をする」選択をした先の将来に、偏差値の高い学校があります。自分が何を選んだか。その結果が明日の自分です。今の自分は昨日の自分の選択の結果でできています。

さあ、イナヅマでがんばりましょう!